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2007年7月14日 (土)

「プルタブを集めて車椅子をもらおう」という都市伝説。

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この日は、パソコン関連ではこれといった話はなかったのですが、中学生の娘が持って帰ってきた学級通信にこんなことが書いてあった。

みんなでプルタブを集めて車椅子を寄贈しよう!

…( ̄△ ̄;
でたよ…またこの手の都市伝説が。
プルタブだけを集めたからといって、車椅子をもらえるわけじゃないのに…。
プルタブに血道をあげるぐらいなら、ベルマーク集めた方がいいって…。

いや、都市伝説とはいえ、まるっきりのデマではない。
理屈の上では、プルタブを集めれば、車椅子が手に入らなくはないのです。
ちょっとヤヤコシイ話になりますが…。

-----

まずは「プルタブ」でぐぐってみましょう。

Pulltab01

真っ先に出てきたスポンサーリンク
まぁとりあえず開いてみましょう。

プルタブ・アルミ缶回収運動 :株式会社フクナガエンジニアリング

単純な話、プルタブやアルミ缶を金属のアルミとして再生して、それを換金し、車椅子を購入し、どこかに寄贈する…という流れ。
配送は着払いのヤマト便であれば配送者負担はありませんが、ボランティア料金の600円を差し引く、とあります。
送料を差し引いて、全部で800キログラム分になれば、車椅子を寄贈しておしまい、となります。

一見すれば、とってもいいことのように思えます。

でも、よく考えてください。

まずはお金の面から。

公共広告として出ているわけではないので、この会社は、Googleに「スポンサー」として広告料金を支払っていることになります。

…ちょっとおかしいと思いませんか?

そもそも、アルミ缶回収で換金するだけであれば、地元の回収業者に持っていけば、宅配便の送料で無駄な経費をかけることなく、より効率のいい換金ができます。
町内会などで「廃品回収」と称して古紙やアルミ缶を回収し、町内会費に充てるところも珍しくありません。
また、ホームレスの人が空き缶を集めていることもあります。目的は…わかりますよね。

つまり、地元で回収して地元で換金した分を、遠く離れた営利企業に委託するのではなく、地元のそれなりのボランティア団体に寄付する方が、よほど社会貢献になるといえましょう。

要は、本当にボランティア目的であれば、地元でできることをやればいいのであって、重い金属をわざわざ無駄に送料をかけてまで、遠くの業者へ送る必要性など、どこにもないのです。

ましてや、その業者が、わざわざGoogleに広告料金を支払ってまで宣伝しているとなると、本当にボランティアでやっているのかどうかすら疑問に感じます。
まぁGoogleが公共広告のひとつとして掲載しているとすれば話は別ですが。

次に目的の面。

そもそもなぜ「プルタブ」なのか?

諸説色々ありますが、

  • プルタブはアルミの純度が高い(実際には缶本体と素材に大きな違いはなく、塗装の有無は大きな問題ではない)
  • 昔はプルトップとしてゴミになって散らかされていたのでそれを集めることが起源(今や缶本体から外れないステイオンタブが主流なので理由としては意味がない)
  • スチール缶が混ざらないように(物によってはスチール製のプルタブもあるのであまり意味がない)
など、全て中途半端でよくわからない理由。
ベルマークのように、点数で金額に換えられるようにルール付けされているものならともかく、

プルタブ自体は「一定数を集めれば車椅子に換えてもらえる」というルール付けがあるものではありません。

結局は「単なる素材」として扱われるため、単なる素材なら、何もプルタブだけを集める必要性は全くありません。

その辺を誤解して、プルタブだけをわざわざアルミ缶本体からちぎり取り、アルミ缶本体は捨てているという、何のためにやっているのかよくわからない行動まで推奨する運動まで出る始末。
まぁ、プルタブだけが山のように集まったら、確かに

「ああ、いっぱいいいことをしたんだなぁ~!!」

って気分になるのは、わからなくもない。
そりゃそうだ。
プルタブの代わりにアルミ缶が山のように集まったら、

「なーんか空き缶拾いみたいな小汚いことやって、スマートじゃないよなぁ~」

って感じるのも、わからなくもない。

でも、目的はあくまでボランティア・社会貢献であって、

プルタブだけを集めて「オレたちっていいことしてるんだなぁ~」って悦に入るのが目的ではない

のです。
大体、そういう誤解の元で始めた思いつきの行動なんて長続きするわけもなく、800キログラムどころか10キログラム程度も貯まらず、中途半端に重くて場所を取るようになり、置き場所に困って、人知れずゴミとして捨てられ、リサイクルって何?って結末になるのは目に見えています。

そもそも、慈善活動としてプレゼントするのは、車椅子でなければならないのか?

足の不自由な人にとって、車椅子は、既製品を押し付けられても、必ずしも喜ばれるわけではないのです。
それに、ちびちびとプルタブを集めてようやく車椅子1台になったとしても、それをどこへ納入するのか?
どこかの業者に委託したところで、本当にそれがどこかで喜んでもらえているのか?
どこかでろくに使われずに余らされているだけの車椅子を、「寄贈した」という自己満足で終わらせて、本当にそれでいいのでしょうか?
そんな無駄な車椅子に使われるぐらいなら、寄付金としてボランティア団体に寄付したり、天災による被災地へ義援金として送った方が、はるかに有意義ではないでしょうか?

そして手段の面。

目的さえはっきりしていれば、ここは改めて説く必要などないでしょう。

ここで回収の対象となっている「プルタブ」は、環境保護の観点からステイオンタブとなり、缶本体から取れないようにしてあるものです。
ゴミとして散らからないのと同時に、素材としてのアルミを回収する際に、缶本体と一緒に回収できるようにしてあるのです。
ですので、先にも書いたとおり、

「わざわざアルミ缶からプルタブをもぎ取る」という行為は無駄以外の何物でもない

のです。
スチール缶からアルミのプルタブをもぎ取るのはまだいいんですが、前述通り

「プルタブ」=「アルミ」とは限らない

のです。

換金目的でのアルミ回収なら、アルミ缶本体からプルタブをもぎ取るような無駄をさせるのではなく、プルタブごとアルミ缶を収集するのが一番です。

アルミ缶Q&A :アルミ缶リサイクル協会

ここにもある通り、アルミのリサイクルの観点から言えば、プルタブだけより、本体が一緒の方が何十倍も効率的なのです。

容器素材のリサイクルがボランティアの目的なら、アルミ缶とスチール缶とペットボトルの分別作業や、ペットボトルのラベルはがしやフタ外し作業をする方が、労力の方向性として正しいでしょう。
でも、大体は

一人一人ができる手っ取り早い社会貢献

をうたって「プルタブ回収」を呼びかけるのですから、そんな大掛かりなことは考えもしていないことがほとんどです。
つまり、それなりの大義名分と

「○○さえすればよい」という単純な行動

が、たまたまうまく重なったのが「プルタブ回収」なのです。

-----

もしあなたの周りで、プルタブ回収を呼びかける人がいたら、必ず以下の項目を確認してください。

  • 「プルタブだけでいい」という明確な根拠はあるのか
  • 誰が責任を持ってモノの回収から寄贈まで面倒を見てくれるのか
  • 車椅子である必要はあるのか、アルミ素材換金での寄付ではダメなのか
まぁ、要は

伝え聞きでの思いつきから始めるのでは、目標に到達するまでの地味で長い道のりの間に、参加する人たちの誰もが飽きてしまう

からです。
それでは何の意味もありませんし、呼びかけをした本人の株を下げるだけですから。

この辺がはっきりしないならば、まだベルマークを集める方が、明確に役に立ちます。

ベルマーク運動を応援するには :ベルマーク財団

どうですか?
プルタブ集めとどちらが有意義だと思いますか?

「プルタブ集めをしよう」という心がけはすばらしいものです。
社会に貢献しようという奇特な気持ちなのですから。
ただ、くだらない誤解で中途半端なプルタブ集めをしているぐらいなら、ベルマーク集めの方がまだマシだと、私は思います。

ちなみに、人気blogランキング参加中です。 よろしくお願いします。

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2007年07月14日(土) 企業(メーカー・プロバイダ等)の姿勢, 日記・コラム・つぶやき |

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コメント

読んでてなんとなく白い腕輪のことを思い出した。

投稿: 匿名 | 2007/07/17 4:55:32

こちらのWebサイトに興味深いことが書いてあります。
北海道のリングプル再生ネットワークです。
http://www.nopporosyoutengai.com/pullnet/index.html

プルタブ集めでもベルマークでも、人それぞれが自分のできることを
していければ、それでいいのだと思いますよ。
要は気持ちの問題なので、プルタブは無駄、ということはないと思います。
どちらにせよ、そういった行動に参加することが大事なのではないですか。

投稿: ace | 2007/07/17 9:37:55

はじめまして。いつも読ませて頂いています。
プルタブですが、私の知っているところでは、「さだまさしのセイヤング」が起源だと思います。リスナーと一緒に何かやろうと言うことで、プルタブポイ捨てが問題になっていたと言うこともあり、プルタブ集めを、また、目標がないと張り合いがないので、あの当時、プルタブ一万枚を売ると車いす一台位の値段になったので、目標としてプルタブ一万枚が設定されました。なぜプルタブかというと、プルタブのポイ捨てが問題になっていた時期でしたし、文化放送まで送ってもらったり、担当の人が持って帰ったりするのに現実的な物でしたので。缶も送られると、持ち運びや保管にかなりの手間になるし、何より臭いがすごい。プルタブだけでもかなり臭ったらしいですが。
これが口づてで伝わる内に、プルタブ一万枚で車いす、と言う都市伝説になったようでして、後期セイヤングでは、さださんが都市伝説の否定をしていました。また、金属相場で車いす1台分のプルタブの数も変化していました。

投稿: むー | 2007/07/17 9:50:35

みなさん、コメントありがとうございます。

ace さんご指摘の「プルタブ集めそのものが無駄ではない」「善意の行動に参加することに意義がある」。
確かに私もそう思いますが、やるなら正しい知識の元でやって欲しいのです。
後で「どこへ送ればいいの?」なんて言うぐらいなら最初からプルタブなんかじゃなく、誰でも知ってるベルマークにしたら?と思う次第です。
アルミを換金するという行為は、よく知りもしない遠くの団体でなければできないわけではないでしょう。
どこで換金すればいいかは、住んでる自治体が廃品回収をやってるなら、役員の人に聞けばすぐにわかることです。
善意を募るのなら、事前にそういうコミュニケーションなり情報収集なりをするものです。
そういうのをすっ飛ばして単なる聞きかじりで自分がイニシアチブを取ろうとするのは、「献血呼びかけメール」や「ウイルス発生メール」など数あるチェーンメール騒動と同じで、善意が無駄になる可能性が高くなるのです。
周りの人を巻き込むのですから、最終的に善意を踏みにじることがないよう、いいかげんな伝え聞きに振り回されないようにしなければなりません。
匿名 さんのおっしゃる「ホワイトバンド」はまさにその典型ですね。これはほとんど寄付にならなかったらしいですし。

ホワイトバンドプロジェクト - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%89

また、善意のつもりが無駄の多いことをやっていては本末転倒だという事も考えなければなりません。
アルミ換金のために送料をかけて重い金属を遠くへ運ぶより、近くで換金する方がはるかに効率がいいはずです。

「善意のためだと思っていたのに何にもならなかったの?」なんて言われないようにしましょう、というのがこの記事の趣旨です。お間違え無きよう。

ちなみに、むー さんのおっしゃる起源は、こちらにも書かれてますね。

プルトップ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97

投稿: ささもと | 2007/07/17 16:45:35

こんにちは。ウィキペディアにもでていましたか。
セイヤングはリアルタイムでやっていましたんで、よく覚えています。何回か送りましたし。セイヤングでやった以前にあったかどうかは覚えていません。都市伝説化したときはさださんも困っていました。
何とかバンドの元祖はランスアームストロングのイエローバンドですね。あれはかなりまじめでして、かなり多くのお金が集まってガン撲滅のための基金を作ってちゃんと活動しているようです。ただ、最初日本では個人輸入するしか手がなかったので、変な業者がアコギなことをやっていたようです。現在はまともに流通?している・・・廃れた?ようです。自分もロードバイク乗りなんで、一本持っています。
これがはやったので、いろいろでました。で、最悪の劣化コピーがホワイトバンドです。あれはねえ、はっきり言って迷惑です。まあ、母体がナニデスカラ・・・
http://whiteband.sakura.ne.jp/

ホワイトバンドはどんどん精神状態が悪くなりますので、この辺にしておきます。では、失礼します。日立のHDD、お亡くなりになりました。一年半の生涯でした。うちの場合、お亡くなりになるHDDは、必ず日立です。これで日立ばかり4台お亡くなりになりました。それで、近頃はシーゲートしか買っていません。シーゲートは最長8年間、ほぼ毎日8時間違法動作し続けていますが現在でも問題なかったりしています。当たりはずれなんでしょうか。バイオもノートとデスクトップ、両方とも買って一年ほどでマザーボード交換しなきゃならない状況に・・・一方自作機は問題なく動作しています。これも相性ですかねえ。困ったものです。やばい事していなかったんですが。

投稿: むー | 2007/07/18 0:38:54

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