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2009年7月16日 (木)

過払い金返還請求の光と影。

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このところ、「ちょっと書けない内容」の事例が多いのと、件数自体が少なめなので、ちょっとパソコンとは離れた話になりがちですが…。

最近、テレビやラジオ、道端の看板など、やたらと目に付くのが、「金利を払いすぎていませんか?」といった内容の、法律事務所の広告。

私も広告主として宣伝をしている事業主ですので、感覚的にわかるのですが、こういった広告を出すのには、モノスゴイ金額の広告費が必要になります。
テレビCMなどは、制作費だけでも数10~数100万円、普通は「1日に何回」という単位で出しますので、放映料だけでも数100万~数千万円単位です。
看板広告でも、一畳ぐらいのものでも、場所によって大きく違いますが、制作費が数万、掲示費が月間で10万円単位が普通です。しかも1枚や2枚では効果が薄いので、何枚も出すのが普通です。
下世話な話ですが、

よっぽど儲かってなければ、こんなに広告は出せません。

ウチも「お困りごと」を解決するサービス業ですので、ベクトルは似ていますし、あちらも商売ですからあまりどうこう言えませんが、正直なところ、こういうのでガツガツ儲けようとしてるのはどうかという気がします…。

実際、「過払い金請求」というのは、

過払金 :フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

こちらに詳しく書かれてますが、要するに、利息制限法から越えてしまった分の利息は支払わなくてもよい、という話ですので、払いすぎた分は返してもらえる、というもの。
20数パーセント程度の高金利の消費者金融から借金を繰り返している人からすれば、長期に渡って返済をしていると、返してもらえる金額がかなり大きい場合もある、ようです。

しかし、甘い話には、たいてい裏があるのが常でして…。

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シリーズ・“新借金地獄”の時代:「お金は貸せません」と断られていたのに……“立場が逆転”する日 :Business Media 誠

 大手消費者金融で、過払い金返還を担当しているAさんはこう嘆いた。「弁護士や司法書士は我々に対し、『利用者にお金を貸すな!』『お金を返せ!』と要求してきます。しかし『その一方でお金を貸せ!』とも言ってくるのです」――。

 この担当者が言っていることは、一体どういった意味なのだろうか?

 それは「コード71」という、利用者の借入情報をめぐってのことだ。コード71とは消費者金融などに対し、過払い利息の返還請求を行った人に付けられているもの。コード71のことを業界では、「フラッグを立てる」または「印を付ける」と隠語で呼んでいる。

 ほとんどの消費者金融では新規融資を申し込んできた人の情報を照会し、もし“フラッグが立って”いれば融資を断っている。ある大手消費者金融の広報担当者は「一度でも訴えを起こした人は、契約を履行しなかったこと同じ。そのため貸すことはできない」と話す。

 ところが、過払い金返還訴訟をビジネスにしている弁護士や司法書士は、コード71に対しクレームを付けているのだ。「利用者が過払い返還を請求するのは正当な権利。なのに必要なお金を借りる場合に、コード71があるために借りれないというのはおかしい」と、情報の削除を求めているのだ。

…要するに、弁護士や司法書士は、消費者金融に対して、
  • 返還能力のない利用者に安易にお金を貸したり、暴利を取ったりするな
  • 過払い返還をしたからといって借金を断るな
と求めているということ。
つまり、

過払い金返還請求を行なうと、「不良顧客」としてお金を貸してくれなくなるかもしれない

ということ。
そりゃそうですよね。
消費者金融の立場で言えば…

  • 「お得意様」がある日突然、法律を盾に「払いすぎたんだから返せ!」と言ってきた。
  • こちらは契約時の利息で利益計算をしているので、今更返せといわれても困る。
  • でも、法律家まで引っ張り出してきてまっとうな請求をされれば、返さないわけにはいかない。
  • とはいえ、取られっぱなしでは商売にならない。
  • だから、「コード71」という印を付けて、実質的なブラックリストを作成し、「二度とお付き合いをしない」という報復措置をとる。
となるのは当然の成り行き。
しかし、

過払い金請求はまっとうな権利だから、それを理由にブラックリストを作るのはおかしい

というのもごもっともな話。
…過払いが発生するのは確かに問題ですが、

なんだか余計なトラブルを起こしているだけのような気がします。

しかも、

弁護士など法律家は中立の立場なので、どんな結果であろうともどこかへ報酬の請求はできるので取りっぱぐれはない

ときています。
いやぁ…どうだかなぁ…。

それでバリバリ宣伝しまくりなわけですから…うーん…。

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先の記事での、隠れた本当のポイントは、「総量規制」。

個人の借入が、年収の3分の1に制限されるのです。

これは同じシリーズの別記事に書いてあります。

シリーズ・“新借金地獄”の時代:あなたはお金を借りられますか? “借金難民”が溢れる日 (2/3) :Business Media 誠

 総量規制とは、貸金業者からの総借入額が年収の3分の1を超えることを原則禁止したもので、2010年6月までに実施される見込みだ。この総量規制が施行されれば、どのような影響が出てくるのだろうか。

 「専業主婦(収入ゼロの場合)の方たちは、原則お金を借りることはできなくなる。夫の同意があれば借りることもできるが、そこまでして借りる人はどのくらいいるのだろうか。まだ総量規制は施行されていないが、すでに大手の消費者金融では専業主婦への貸し出しを見送っているようだ」(小林氏)

 消費者金融を利用している人の約4割は、年収300万円以下といわれている。総量規制施行後に年収300万円の人が借りられるお金は100万円まで。「もしすでに数十万円借りていて、急な医療費でさらに数十万円が必要になればどうすればいいのか。借入金額の合計が100万円を超えてしまうと、十分な医療も受けられなくなるかもしれない」と小林氏は指摘する。

コード71がどうとか言う以前に、不況のあおりで年収が下がっていたら、そもそも貸してももらえなくなるわけで。
また、うかつに借り入れ審査をすると、年収を含めた個人情報が飛び交うことになります。

確かに、総量規制により、多重債務は起こりにくくはなるでしょう。
パチンコなどのギャンブルに突っ込みすぎて借り入れ、という人は格段に減るでしょう。
それでパチンコ屋が儲からなくなるのは仕方ないでしょう。所詮ギャンブルですから。

しかし、記事にもあるとおり、病気などで本当に現金が必要な時に、法律の規制により、借りることができない場合も発生するのです。それが問題なんですよね。

結果、クレジットシステムが崩壊し、流通が冷え込み、景気上向きなどありえない状態になります…。

過払い金の発生するグレーゾーン金利で「過払い金を返せ」「返すけど今度から貸さない」なんて言ってるのは一時的な話で、まっとうな金融業者が、過払い金返還(過去の利益を吐き戻さなければならない)と総量規制(貸したくても貸せない)のダブルパンチで、小さな業者はどんどん潰れてしまうわけで…。

過払い金返還請求と総量規制が生むのは、結局は闇金融業者の増殖なのではないでしょうか。

闇金融 :フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

2004年のヤミ金対策法により罰則が強化されたとはいえ、結局は一定の需要があるということ。
何かいい対策ってないもんでしょうかねぇ。

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コメント

年利30%として、200万借りると月の金利だけで5万円になるようなものが、全うだとは思えませんけどね。
金利だけを払わせ続けていたりと問題も多かったはずです。

また、医療費は後払いですし、高額医療費制度もあるので、十分な保険外医療を受けられないことはあっても、十分な医療が受けられないってのは言い過ぎじゃないでしょうか。

投稿: さじ | 2009/07/24 18:51:31

さじ さん
利息制限法では100万円以上は年利上限15%です。出資法の上限は29.2%です。
現状でも過去でも30%では違法です。
200万円で年利0.8%の差は、月額で1300円強。小さいとは言えません。
消費者金融は、以前は年利20%以上は当たり前状態でしたから、それが真っ当でないとは言い切れません。

また、総量規制で調べてみたら、

http://allabout.co.jp/career/economyabc/closeup/CU20090618A/index2.htm

>「例外」としては、例えば、年収300万円の枠いっぱいで100万円を借入れている人が、緊急に医療費としてさらに30万円借りたい場合、例外規定という形で借りられることがあります。他に、有価証券担保ローン、不動産担保ローン、売却予定不動産を売って返済できる借り入れなども例外。個人事業主が事業資金を借りる場合も、例外に当たります。

総量規制の対象は無担保ローンのみのようです。
「充分な医療が受けられない」というわけではないかもしれませんが、例外の範囲がどこまでかによりますね。
しかし、いろんな理由で急に現金が必要になることがあります。
例外として借り入れが可能かどうかというのと、間に合うのかどうかというのはまた別の問題ですので、どうなんでしょうね。
結局は、景気のブレーキとなるマイナス要因の方が多いように思えます。

投稿: ささもと | 2009/07/24 20:25:08

わかりやすい金額って事にしたんですが

ちょっと論点がずれているようなので、整理します。

グレーゾーン金利が違法ではなかったものの、とんでもない金利だったというのが一点。
医療費もいろいろ制度があるために、それほど負担が大きくなるとは考えにくい。の二点です。

過払い金請求の問題は分かりますが、自己破産の増加という面も考えないとバランスがとれているとは思えません。

>結果、クレジットシステムが崩壊し、流通が冷え込み、景気上向きなどありえない状態になります…。

サブプライムローン問題のように必要以上に融資する問題も考えないといけないんじゃないでしょうか。

医療費については、高額療養費の現物給付化、高額医療費貸付制度(1ヶ月程度かかる)等ありますので、かなり抑えられているとはおもいます。
そのために「充分な医療が受けられない」という一文は危機感を煽っているようにしか受け取れないですね。

高額療養費の現物給付化http://www.sia.go.jp/seido/iryo/kyufu/kyufu06.htm
高額療養費の貸付について PDF
http://www.sia.go.jp/infom/pamph/dl/pamph02.pdf

クレジットカードや、ATM、質屋など何とかなる手段が他にもあるのに消費者金融だけを取り上げるのはどうなんでしょうか。

まぁ、融資もまともに出来ない銀行が一番の問題だとは思いますけどね。

投稿: さじ | 2009/07/25 0:52:20

九州の田舎からいつも楽しく拝見しています。
今回の論旨は「グレーゾーンでもOK」とか「借りた方が悪い」とか「借りた物を返すのは人間として最低の約束」…等々、質の悪い金融業者の代弁しているのではないと私は読みました。
『あれだけお金のかかるTV広告を打てるほど儲かるシステムって何だろう?』
しかも『お金で困っている人を相手にした商売(敢えて商売と)で』という二点を考えさせてもらいました。TVCMでは借りた側役のキャラクターがあまりにも明る過ぎるのにも違和感があります。
悪質な金融業者は論外という点では多分皆さんと同じと愚考した次第です。
ところでWin7はどんな感じでしょうか?
個人的にはXPの昨日で十分で、安定していればそれでいいのです。嫁さん用に購入したVistaがMe並に印象が悪かったので、期待しているのですが。

投稿: ばんぶーだんす | 2009/07/25 7:54:36

さじ さん

>ちょっと論点がずれているようなので、整理します。

>グレーゾーン金利が違法ではなかったものの、とんでもない金利だったというのが一点。
>医療費もいろいろ制度があるために、それほど負担が大きくなるとは考えにくい。の二点です。

わかりますけど、記事の論点は別にあるんですけどね…。

とんでもない金利という点で言えば、バブル期の公定歩合と今とでは1桁違いますし、利息制限法ギリギリだと実に2桁違います。
バブル期でも20%以上が普通でしたから、ありえない暴利という点では額面だけじゃないと思います。
ただし、消費者金融などのすぐに用立ててくれるキャッシングローンは、無担保がほとんどですので、銀行融資と同列に考えることはできません。
医療費に関しては、総量規制の例外となる場合もありますが、必ずしもそうではない可能性は充分にあります。
たとえば、がんの治療は、がん保険に入っていないととんでもない金額になる場合がありますし。
「考えにくい」と楽観視するのはどうかと思いますよ。

>サブプライムローン問題のように必要以上に融資する問題も考えないといけないんじゃないでしょうか。

サブプライムは問題がまったく別ですし、住宅ローンは総量規制の対象外です。

>クレジットカードや、ATM、質屋など何とかなる手段が他にもあるのに消費者金融だけを取り上げるのはどうなんでしょうか。

総量規制は消費者金融だけではありません。
また、ATMは消費者金融や銀行でも使っている単なる機械ですし、質屋は質草となる物品の持ち込みが基本ですから、引き合いに出すこと自体どうかと。

>まぁ、融資もまともに出来ない銀行が一番の問題だとは思いますけどね。

それこそ論点が違うのではないかと…。
融資する・しないの話だけをしているのではないんですけどねぇ…。

投稿: ささもと | 2009/07/25 8:35:45

ばんぶーだんす さん

>今回の論旨は「グレーゾーンでもOK」とか「借りた方が悪い」とか「借りた物を返すのは人間として最低の約束」…等々、質の悪い金融業者の代弁しているのではないと私は読みました。

そんなこと書いてませんけど…。

グレーゾーンをいいことに暴利を取っていたのは事実ではありますが、10年前にさかのぼって「返せ」と言われたら、言われた側からすれば困るのは確かですし、何らかのペナルティ・報復措置を考えるのは当然のことでしょう。
しかし、それは許されないことであることも事実。
同じ過払い返還請求でも、クレジットカード系のキャッシングの場合、コード71問題は実施していないと聞きます。
消費者金融も、今までどおりのやり方でらくらく暴利をむさぼる行為は通用しないことを理解すべきだと思います。
ついぞこないだまで、消費者金融の宣伝攻勢はものすごかったわけですし、それだけ宣伝費が出るということは、よほど儲かっていたということに他ならないわけですから。

あと、記事に関係ない件のコメントは割愛します。

投稿: ささもと | 2009/07/25 8:51:06

請求した所で返還されにくい実態がいやですよね・・・
改めて知識不足だった事を痛感します。。。

投稿: ホスト求人太郎 | 2010/02/01 21:56:26

一度済んでしまったことについて返還するということですから相手方も気持ちいいものではないですよえね。
実際には請求が成立しても、返還されなかったという事案も多く、遡って、取り返すってことは一筋縄にはいきませんね。
消費者もこのご時世ですから、知識をもつことが必要ですね。

投稿: 債務整理の川上事務所 | 2010/02/16 17:28:55

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※当面コメントは承認後の公開となります

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